こんにちは、フリーライターのかのぽむ(@kanopom_writing)です。
在宅ワークでWebライターとして働き、徐々に仕事が軌道に乗ってくると、誰もが「もっといい条件の仕事にチャレンジしたい」「1文字あたりの単価がもっと上がらないだろうか?」と欲が出てきます。
ランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシングサイトにも、毎日魅力的な案件がいくつも掲載され、中には文字単価がこれまでの5倍以上のものが現れることも!
さぁ、こんな時あなたが在宅ライターだったら、冷静な判断ができるでしょうか?
今日のお話は、文字単価に目がくらんだ私が、過去に体験したリアルな失敗談です。
仕事が軌道に乗り、有頂天になっていた。
普通の専業主婦だった私が、在宅ライターとして働き始めてから1年ぐらいが過ぎた頃。これまで文字単価が0.5円ぐらいだったのが、最低でも1円以上をキープできるようになっていました。
書けば書くほど貰える報酬が増えていき、毎日貯まっていく残高を見ながら嬉しくてニヤニヤと笑いが止まらない日々。
それまでは専業主婦で1円も稼げなかった自分が、今では毎月何万円も稼いでいる。
そのことが嬉しくて、誇らしくて、自分に酔ってしまっていたのだと思います。
そんな時、悪魔が耳元で囁きました。
「もっと文字単価が高い仕事をしてみなよ」
1文字1円の文字単価に満足できなくなっていた私は、この悪魔の囁きにあっけなく陥落してしまったのです。(今思えばなんてバカだったんだろうと思います・・・。)
周りのライターの成功談に焦りを感じていた。
私はツイッターなどで全国各地のライターさんと時々お話をさせていただいているのですが、ツイッターを開く度に数々の成功談が目に飛び込んできます。
「文字単価3円の仕事に受かった!」
「文字単価5円の仕事をしている」
欲にかられていた当時の私は、それがうらやましくてうらやましくて・・・。
「自分だって、もっと文字単価の高い仕事をしたい」と、ランサーズやクラウドワークスなどで必死になって新規の仕事を探しました。
そして、自分にも書けそうだと思うプロジェクト案件を見つけ、早速応募したのです。
この時は自分に酔っていたので、なぜか絶対に合格する自信がありました。そして予想通り「合格」。←これがダメだった。
このことをきっかけに、ますます有頂天に拍車がかかっていったのです。
身分不相応のプロジェクト案件
文字単価をとにかく重視して選んだ案件。
文字単価は5円を超えていました。
依頼内容の分野はこれまで自分が1度もチャレンジしたことがない内容でしたが、有頂天になっていた私は問題なくこなせるだろうと妙な自信があったのです。
Webリサーチをしたり、図書館で参考になりそうな本を何冊か読んだりして、いざ執筆!少し苦労しながらも、あっけないほど記事は仕上がりました。
そして、期日前に納品。
さて、結果はどうだったでしょうか?
今も忘れられないクライアント様からの言葉
納品後、クライアント様からすぐにメッセージが届きました。
納品した記事は問題なく修正なしで校了して良いということで、ほっと一安心。しかし、メッセージの最後を読んだ瞬間、全身が凍り付きました。
「この度は記事を執筆いただき誠にありがとうございました。
なお、継続依頼についてですが、残念ながら契約することができません。またの機会がございましたらよろしくお願いします。」
はい、継続依頼には繋がりませんでした。長期継続になるという案件内容だったので、期待しまくっていたのですが、あっさり夢が潰えた瞬間でした。
当時の私は怖いもの知らずだったので、クライアント様に「どうしてダメだったのでしょうか?理由をお聞かせください」と罰当たりなことを恥ずかし気もなく聞いてしまいました。(今考えると、よくそんなことを聞けたなと顔から火が吹き出そうになります。)
そのメッセージを送って、ドキドキしながら待っていると、5分ぐらいしてからすぐにクライアント様から返事が届きました。
そこにはたった1言。
「凡庸すぎる印象を受けましたので。」と書かれていました。
文字単価が1円を超えた程度で調子に乗っていた私にとって、がつーん!と頭からチョップを受けたような衝撃。
あまりのショックで、この日は胃が痛くて寝込みました・・・。
文字単価にこだわりすぎて失敗した愚か者
成功者に憧れて、上へ上へと昇ろうとすることは良いことです。しかし、自分の力量もわきまえずに欲を出してはうまくいくはずもありません。
今回のようなことになってしまった原因は、「自分が詳しくない分野なのに、文字単価に目がくらんで応募し、結果的に実力が伴わずクライアント様を失望させてしまった」からです。
活躍されている某ライターさんの言葉で、「ライターは文章を書けるだけでは続かない。読者に何かを伝えたいという気持ちがある人だけが残っていける」というフレーズがありました。
冷静になってみると、まさにその通りだと思います。
自分にとって得意な分野でもなく、興味がある訳でもない。そんな状態で、良い記事が書けるでしょうか?
結局、中身のない薄っぺらい記事しか書けません。だって読者に何かを「伝えたい」という思いが込められていないからです。
これがクライアント様にとっては「凡庸だ」と感じられた原因だと思います。
文字単価のことしか考えていなかった時点で、自分はなんて愚かだったんだろうと、この時やっとわかったのです。
上を目指したいなら努力するしかない!
「あの人は、文字単価が高い仕事をしていていいなぁ~」
「自分ももっと稼ぎたいなぁ~」
そんな風に、指をくわえながら待っていても何も始まりません。
だからと言って、実力が伴わないのに高額な案件にトライしても、クライアント様に迷惑をかけてしまうだけです。
みなさんは仕事を探す時に、文字数や文字単価ばかりを見て選んでいませんか?
文字単価が高いということは難易度が高く、それと同時に求められている記事のレベルも高いと言うこと。このことを肝に銘じなければなりません。
文字単価が高い仕事を獲得しているライターさんには、ちゃんとその結果が伴うだけの理由があるはずです。
自分はどんな文章を書けるのか?何が得意なのか?何が好きなのか?
自分の興味・得意な分野をきちんと把握してから仕事を選ぶことが大切。
未経験の分野でもチャレンジしてみたい仕事が見つかったのなら、いつも以上に時間をかけて情報を集める。じっくりと丁寧に時間をかけて書くなど、クライアント様を満足させられるだけの努力が必要になります。
空き時間があれば、色々な本を読んだり、実際に外に出てネタを探したり、リアルな経験をすることも大切です。
「在宅ライターの主婦が書く記事は【こたつ記事】だ」と言われないためにも、良い記事を書くためには、自分自身を磨く必要があります。
(※こたつ記事とは、家から一歩も出ずにwebの情報などを寄せ集めて書いた薄っぺらい記事のこと。)
自分の力量がクライアント様の求めるレベルに到達してから、そこで初めて文字単価云々の話になっていくものなのだと身をもって反省した出来事でした。
追記
文字単価についての話題はこちらの記事にも書いています。