この記事では、ライターやブロガーが実在する店舗についての記事を執筆する際、必ず取って欲しい「撮影許可(取材許可)」についてお話しします。
初心者ライターやブロガーにとって、取材記事を書くのは1つのハードルになります。
なぜならば、店舗を取材する場合、そのお店の責任者に撮影許可(取材許可)をもらわなければならないからです。
「そんなの当たり前じゃん」という方は、この記事を読む必要はありません。
逆に「え?雑誌とかTVじゃないから、取材許可なんていらないでしょ?」と思った方は、ぜひこの記事を読んでもらいたいです。
Twitterでもこの話題についてつぶやいた所、意外と反響がありました。
ブロガーさんが色々なお店を紹介してるけど、ちゃんとお店に許可を取ってから掲載しているのかな?
この前、行きつけのお店に行ったら「勝手にメニュー表や店内の商品を、ブログに掲載されて困っている」と言ってた。
地域ブログ(特にグルメ系)は、撮影許可をきちんと取ってくださいね〜(ーー;)
— かのぽむ@羊毛フェルトライター (@kanopom_writing) 2019年1月10日
人によっていろいろと意見が違うかもしれませんが、私がこれまでのライター経験から学んだことを書き残しておこうと思います。
きちんとしたメディアであればあるほど、許可取りは必須
私は以前、某タウン誌の編集部に編集&ライター(正社員)として勤務していました。
タウン誌なので、当然店舗取材も毎日のように行っていました。
店舗についての記事を書きたい時は、事前に電話やメールでアポを取り、企画内容を説明して撮影許可をもらうのが鉄則でした。
元タウン誌の編集&ライターだったから、お店に撮影許可を取るのは当たり前だと思ってた。
個人ブログならセーフという人もいるけど、アドセンスやアフィで収益化してるならアウト。
撮影許可を取るのが大変だから、私は地域ブログには手を出してないんだけど、無断で掲載してる人も多いだろうな。
— かのぽむ@羊毛フェルトライター (@kanopom_writing) 2019年1月10日
これはテレビ・新聞・雑誌・Webメディアなど、どの業界でも当たり前のことだと思います。
有名な媒体で、相手がこちらのことをご存知であればトントン拍子で許可が取れるのですが、無名の場合はアポ取りでかなり苦戦します。
電話をガチャ切りされて断られるなんてことも、日常茶飯事。
企画書や過去記事の提出を求められる場合もあります。
お店側にとって、どんなメディアに紹介されるのかきちんと知っておきたいと思うのは当然のことです。
店長さんからOKをもらえてもオーナーはNGだったり、チェーン店の場合は本部の広報担当にまで企画書を送る必要があったり……。
私はこのタウン誌編集部に勤務していた経験から、「取材記事を書く時は、必ず許可を取らなければならない」ということを学びました。
個人ブログなら撮影許可は不要?
では個人ブログの場合はどうでしょうか?
以前、Webで旅先の美味しいお店を検索していた時の話です。
かなり辛口なコメントで、お店を批評しているブログを発見しました。
掲載されているのは実在する店舗の情報(所在地・営業時間等)と、店舗の外観写真、料理の写真。
料理に対する辛口コメント・・・というか、ほぼ文句のような内容がびっしりと書かれています。
ブログのコンセプトが「お忍びだからこそ書ける本音」だったので、恐らく店舗には撮影許可を取っていないでしょう。
と思う方もいるかもしれませんが、だからと言ってブログに無断で好き勝手に書いていいわけではありません。
例え匿名のブログでも、訴えられればすぐに個人を特定されて、営業妨害で罪に問われる可能性もあります。
いいクチコミなら宣伝になるから大丈夫?それを決めるのはお店側
さきほどは悪口を書いた場合のことを書きましたが、いいクチコミを書いた記事ならどうでしょうか。
そうですね、宣伝になれば喜ばれると思いますよね。
でも逆に、その行為がお店に迷惑をかけてしまうかもしれません。
宣伝されることを望んでいないお店もある
テレビや雑誌で取り上げられていない、隠れ家的なお店。
そのまま無許可で店舗の外観&料理を撮影して記事を掲載したAさん。
思惑通り、書いた記事にはアクセスが集中し、県外からたくさんの観光客がそのお店に押し寄せました。
さて、お店の人は喜んだでしょうか?
答えはNO。
なぜなら、このお店はオーナーが1人で切り盛りしており、地元のなじみ客がゆっくり集えるお店として長年営業していたからです。
急に新規のお客さんが殺到し、その騒がしさのせいでなじみ客の足は遠のき、狭い店舗の外にできた列のせいで近隣から苦情が……。
結局オーナー1人ではお客さん全員に満足のいく接客ができず、不満を感じた新規客がSNSに悪いクチコミを書くという悪循環に。
お店にとっては迷惑以外の何物でもありません。
ライターやブロガーが良かれと思って、無断で記事を書いてしまうと、こんなトラブルを引き起こしてしまう可能性もあるのです。
こんなことにならないためにも、撮影許可をとって、相手の同意を得ることも大切!
取材NGの場合は、きっぱりあきらめましょう。
(隠し撮りとかしちゃダメですよ~)
勝手にメニュー表や値札を撮影して掲載されると困る
Googleなどで検索すると、お店のメニュー表を載せているブログをよく見かけます。
ユーザーにとっては助かる情報ですが、お店にとっては困る場合も。
例えばそのメニュー表を見たお客さんが、どうしても食べたいものがあって遠方から来店し、書かれていたメニューが今は販売されていなかった場合。
あなたが書いた記事のせいで、がっかりしてしまう人がいるかもしれません。
きちんとお店に掲載許可を取り、撮影したメニューがいつまで販売されているのか確認して掲載していれば、このような悲劇も防げます。
また値上げを行った場合、「ここには○○○円って紹介されてたのに!」とお客さんから憤慨されても、お店側が告知したわけではないので迷惑をかけてしまいます。
店内やスタッフの写真にも注意が必要
店舗内を撮影する際、ほかのお客さんやスタッフさんが映り込む場合があります。もちろん、そのまま写真を使うのはNG。写っている人物に許可を取るか、モザイク処理を施すなどの配慮が必要です。
内装の写真も「ここは写して大丈夫だけど、そっちはやめて」と指定される場合もあります。
結論:どんな時も取材&撮影時には、スタッフさんに確認しよう!
ライター経験がある人なら、許可取りは当たり前とも言えるスキルです。
しかし、地域ブロガーさんやグルメブロガーさんの中には、個人ブログなら無許可でも大丈夫と思っている方が、少なからずいらっしゃいます。
そもそも、その個人ブログは完全に趣味で書いているものなのか?
アドセンスやアフィリエイトの収益を目的にしていないか?
諸条件が複雑に絡み合って、ブログは黒に近いグレーゾーンと言えます。
きちんとしたメディアのように事前のアポ取りまでできればベストですが、旅先で立ち寄ったお店などを急遽紹介したくなった時は、撮影前に必ずスタッフさんに一声かけましょう。
OKをもらえたら、その時に対応してもらったスタッフさんの名前をメモしておくと安心です。
自分のブログ用名刺を準備しておき、どのサイトに掲載されるのか説明できるとさらにベスト!